fc2ブログ
 

内助のタヌキ、本を読む。

これから、また頑張ります!一念発起の一冊。

最近更新する度に書いているのですが「皆様ご無沙汰しております」(笑)
うちの御嬢さんも幼稚園を卒園し(謝恩会等全て中止になりましたが)、この春から小学生になりました。早いものです。
給食も始まって、やっと時間が出来たなと思っていたところ、教室の保護者の方から有難いコメントをいただきました。
細々とでも続けていくことに意味があるんだ!と、一念発起。やっぱり本が好きです。

本題!
教室がオンライン授業になって早3か月。
授業は変わらず楽しく出来ており特に問題点はないようなのですが、本の貸し出しが出来なくなってしまったのが難点です。
ブログの更新は滞っていましたが、教室での本の紹介は続けていました。「この本、面白かった!」という生徒さんの反応が聞けなくなってしまったのは、なんとも寂しい限りです。
そんな中、ほん太の個別授業を取っている生徒さんが「将来は北欧に住みたい」という話をしていたとの話を聞きまして、そんな感じの本があったな…と、ごそごそしたところ、発見しました!
北欧フィンンランドでの留学生活体験記です。フィンランドの高校での3年半を通して自分を取り戻して行く少女の再生の物語、とも言えるかも。

「青い光が見えたから〔16歳のフィンランド留学記〕」 著:高橋 絵里香/講談社
<あらすじ>
 小4で友人から借りたフィンランドの作家トーベ・ヤンソンの『たのしいムーミン一家』を読んで、この話を生み出した国へ実際に行って、そこで生活してみたいと思うようになった著者。中学時代に学校生活に疑問を感じ心が折れることもあったが、教師の父親に協力してもらいながら、高校でのフィンランド留学を果たす。憧れの国で様々な人に助けられ、日本ではできない経験をし、「自分は何をしたいのか、どうあるべきなのか」について考えを深めていく。目指すは3年半後の高校卒業試験合格!

 
著者の高橋さん、何がすごいかと言えばフィンランドに対する熱い想いです。そして、その思いの原動力になったのが1冊の本、『ムーミン』ですよ。本の持つ力って、ほんとにすごいなぁと改めて感じました。
 日本にはフィンランド語のちょうどいい辞書がなくて(超薄いか超分厚いかしかなかったそうです)、英和辞書と英フィン辞書を2冊リュックサックに入れて通学したとのこと。3年半後の高校卒業試験では、フィンランド語でドイツ語の試験を受けるまでになっていますが、そうなるまでにどれだけの努力があったのかと…英語だけでヒーヒー言っていた身としては、ほんとに頭が下がります。
 髙橋さんが最後まで頑張ることが出来たのは、周囲の人たちが高橋さんをあるがまま受け入れ、彼女のやりたいことが出来るように支援してくれたからです。「助けてあげる」ではなく、彼女がどうしたいのかを聞き、それならばいくつか方法があると「提案」してくれるんですね。こうしなさい、という「正解」を与えるのではないところに、フィンランドの教育姿勢が見える気がします。
 この本には、フィンランドの高校教育について詳しく書かれています。まず驚くのは高校を卒業する時期を自分で決められること。3年、3年半、4年の3つから選択でき、いつでも変更可能です。高橋さんのように語学に不安があるから余裕のある単位取得を目指して3年半という選択も、取りたい授業がありすぎて4年間という選択も、全部アリです。授業は、ほぼディスカッション形式。正解のない議論では(例えば、移民を受け入れるべきかという問題)教師も「先生も正解はわかりません。いろいろな意見があります」と正直に述べるのです。試験もなんと、問題が選択式です。出題の15問中10問を選択します。自分の持っている知識を総動員しないと記述できない問題だそうですが、自分の得意な問題を選べます。卒業後の進路も、みんなそれぞれ。日本では浪人、と不名誉な名前で呼ばれてしまいますが、フィンランドでは自分を見つめ直す時間と称され、多くの人が大学に進学する前に1年程海外に行ったり働いたり、自由な時間を過ごすのだそうです。
 フィンランドの教育が注目されるようになったのは2000年にPISAのテストで好成績を取って以来かと思われます。様々な教育本も出ましたが、一朝一夕にマネのできるもののではないですね。日本との大きな違いは、フィンランドの子供たちが皆、自分が何をしたいのかが明確な点です。なぜやりたいことが明確なのか。それは考える時間が十分に与えられているからです。日本の教育は「こうしなさい、これが正解」を教えこむには適していますが、自分がどうしたいのか、自分とは何者なのか、「考える」ことに割く時間はあまりないように感じます。ひたすらに試験や進学、目の前に「やらなけらばならない」とされている課題を突き付けられて、それを焦って選択していく。とりあえず大学に行ってみたけど、それからどうしよう?何になればいいの?というパターン。かくいう私も、そうだったと思います。フィンランド方式を取り入れるのであれば、「正解を教え込む」から「正解のない問題を考える。意見の違いを認め合う」教育へのシフトが求められるのではないでしょうか。そして教育に携わる者や保護者も、子供に考える時間を与え、子供の決断を容認する余裕が必要になってくると思います。
 そんな「考える」高校生だからこそ実現できた、様々なエピソードが本の中で紹介されています(ここで紹介するとネタバレになるので、書きません!)。フィンランドでの暮らしや、教育について、また自分らしく楽しく生きるという事はどういう事なのか、考えさせられる1冊でした。 

小ネタ『今日のぽん太』。
あぁ、これもすっごく久し振りです。
ステイホーム中、一緒にいる時間が多くなったので色々色々あったのですが(笑)、直近から行きましょう。
6月末にうちの御嬢さんのお誕生日会をした時の事です。彼女はジジからデジタル顕微鏡をプレゼントされました。高機能カメラが付いているので、プレパラートなんか作らなくても拡大画像がPCやスマホの画面ですぐに見られるという優れもの。お札や肌の肌理などを見て大喜びしていた御嬢さん。そんな一コマから。

デジタルと 子供の言葉 非情なり

デジタル顕微鏡で、ぽん太のおでこを映した御嬢さん「うわー、てっかてかのぎっとぎと~♪」。子供の言葉には遠慮というものがない、と改めて感じました。ちなみに、私も「ママの肌理は乱れてるね」と言われております…。

スポンサーサイト



2019年 読書感想文講座の本紹介。

本当に本当にご無沙汰でございます。
あれやこれやで、こちらの更新が滞っておりました。
作文講座用に文章を書いてはいましたが、
あまりにも久しぶりなブログ更新に、すごく緊張しております。
リハビリを兼ねて、今回は今年の読書感想文講座の
本の紹介をしていきたいと思います。
例年子供の夏休みの宿題に付き合うママのイライラ度数を
下げる目的で、この読書感想文講座を開いております。
今年もぽん太と私が「ぜひこれを読んで欲しい!」と思う本を
選ばせていただきました。
そういえば昨年、高学年の物語で絵本を選択したところ
皆さん別の本を受講され、少々悲しかったのですが、
今年はなんと!高学年の課題図書に絵本が入っているではありませんか!
先取りしすぎたな…と反省もふまえつつ。
それでは、本題!

☆2年生用
「わたしのそばできいていて」 著 リサ・バップ 訳 菊田まりこ/WAVE出版
<あらすじ>
 字を読むのが大っ嫌いな女の子、マディは音読の時間が大っ嫌い。頑張っていないわけではないのに、なかなかうまく読めるようにならず、落ち込むマディ。心配したママと土曜日の図書館にやってきたマディが出会ったのは大きな白い犬で…。

 自分の下手な音読を聞いても、笑ったりがっかりしたりすることなく、ただじっと待ってくれている図書館犬。間違えることを怖がってしまう傾向のある最近の子供たちに、是非読んでいただきたい!子供の成長は、本当にそれぞれです。すぐできる子もいれば、ゆっくり出来るようになる子もいる。自分のペースで大丈夫なんだよ、と教えてくれる優しい物語です。
この本は、最近続きの『いまのわたしにできること』が出版されまして。本を読むのが大好きになったマディが、今度は自分より弱いものを助けようと奮闘します。1つのことで自信が持てると、子供って変われるんだなぁとジーンときました。興味を持たれた方は、こちらも是非!

☆3~4年生用
「季節のごちそう ハチごはん」 著;横塚眞己人/ほるぷ出版
<あらすじ>
 日本各地で昔から食べ続けられてきた、ハチの子。どうやって採集して、食べているのか。岐阜県ではヘボと呼ばれるクロスズメバチを採集する様子、また採集したハチの巣を成長させてハチの子を収穫する様子を写真と説明で分かりやすく紹介する。

 きましたーー!私の好きな昆虫食(笑)。以前このブログでも昆虫食の本を紹介したこと、ありましたね。実際に食べたことある人や、見たことある人だったら実体験も交えて書けますし、それでも字数が足りなかったら、他の昆虫食を調べて書いてしまえばあっという間に書きあがるんじゃないでしょうか。
 私は祖父母が長野県なので、昆虫食には全く抵抗なしです。祖父母の出身地ではスズメバチを焼酎漬けにして虫刺されの薬にしたり、イナゴを田んぼで捕まえてきて佃煮にしておりました。でも、ハチの巣を成長させるという事はしていなかったです。ハチの子は缶詰で食べてました。高級品なんですよ!地域によって、ハチとの関わり方も様々ですね。


「名もなき花たちと 戦争混血児の家「エリザベス・サンダーズ・ホーム」」 著:小手鞠るい/原書房
<あらすじ>
 主人公は、三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎の孫、澤田(岩崎)美喜。幼い頃に津田梅子より教えを受ける。20歳で外交官と結婚。南米、中国、ヨーロッパ、アメリカ等各国での生活の中で、恵まれない人々へのボランティア、孤児院訪問を体験。いつか日本にも、このような施設を作りたいと思うようになる。また黒人の友人がアメリカで人種差別を受けるのを目の当たりにし、差別されることの辛さや悔しさを知る。戦後、汽車の中で網棚に置き捨てられていた風呂敷包みの中から、混血児の赤ん坊の遺体を発見したことをきっかけに、捨てられていく混血児たちの母となることを決意。様々な差別と闘いながら、子供達を守り育てていく姿を描く。

 あらすじを書いてしまうと、とても難しそうな話ですが文章は子供に読みやすく平易なものになっています。これだけだと若干内容が薄いので、他の資料を読んで講座の中で補足しようかと思っています。澤田美喜さんが孤児院を開設しようと思った時には財閥解体により、岩崎家も往年のような財力はなく、売却してしまった葉山の別荘を各国から寄付を募って買戻したのだそうです。孤児院の子供たちのために、外交官時代のルートを使ってアメリカと交渉したり、使えるものは全部使うという姿勢に、母の愛と強さに感動しました。未だに解決しない人種差別への自分なりの意見も書くのも、いいかと思います。
「ある晴れた夏の朝」も、小手毬さんの作品で、今年の中学生の部課題図書なのですが、こちらも是非読んでいただきたい!広島と長崎への原爆投下について、アメリカ人の高校生8人が賛成派と反対派に分かれて討論会を開く、と言う話です。主人公は日本人の母とアイルランド系アメリカ人の父親を持つ少女メイですが、日本で生活した時間は短く日本語も話せません。メイは反対派として論壇に立ちますが、日系人であるケンは賛成派。他にもユダヤ系、中国系、アフリカ系と様々なルーツを持つ高校生たちが、調べ上げた資料を基に論戦を繰り広げます。日本で習う歴史と、日本以外の国で習う歴史の差を知る事で、新たに考えることが出来ると思います。誰が被害者で、誰が加害者なのかという議論もありますが、戦争になればどっちがどっちになってもおかしくないのです。だから戦争はしてはいけないのだ、と改めて皆が心に留めて欲しいと思います。


☆5~6年生用
「となりの火星人」」 著:工藤純子/講談社
<あらすじ>
事実だけどそれを言うべきではない時に言ってしまう、小学校6年生のかえで。かえでのクラスメートで、すぐキレてしまう和樹。クラスの女子の中心にいるけれど、ストレスがかかると奇声をあげてしまう美咲。かえでと幼馴染で、勉強は出来ないけれど人を和ませる存在の湊。中学受験に失敗して、目標を見失っている港の兄・聡。人と違う事に悩みながら、でもどうすることも出来ないジレンマと、それぞれが向き合っていく物語。

 ちょっと違う人の事を、「あの人、火星人だから仕方ないよ」って言ったりしますね。まさに、この本の登場人物たちは、そういう意味で火星人です。個性的であれ、なんて言われるのに、誉められる個性と問題にされる個性があるんですよね。みんな同じでなくてもいいんだ、という事に気付かせてくれるお話です。

「紛争地の看護師」 著:白川優子/小学館
<あらすじ>
 テレビで見た「国境なき医師団(以下MSF)」の活動に心を打たれ、看護師となり、オーストラリアでの英語による医療活動経験を経て、MSFに参加。以後、シリア、イラク、イエメン、パレスチナ、南スーダン等の紛争地域を外科室看護師として活動してきた著者自らが語る、紛争地の実態。
 
看護師さんによる上質のルポルタージュ。撤退命令が出ても、赤十字や国連が撤退しても、そこに医療を必要とする人がいれば、最後の最後まで尽力するのがMSFです。傷ついた人々に寄り添い、なんとか癒そうとする白川さんの熱い想いに感動し、戦争に対する憤りに共感できます。戦争で傷つくのは誰なのか、私達はどうするべきなのか、考えさせられます。


以上5冊です。
一応学年は指定してありますが、興味のある本であれば
どれを受講していただいても構いません。
それでは、私は夏休みまでに、頑張って5冊分の模範答案を
書き上げます!
お嬢さんが夏休みに入ると、集中して書けなくなる~。
けっして邪魔にしているわけではないんですけど…!

読書感想文講座指定図書のご紹介。

大変ご無沙汰してしまいました。
意外と幼稚園のPTAが忙しいです。
午前中の活動が多いので、ぽん太の仕事と家事と、
どちらか切迫した方から片づけている状況です。
ついついブログを後回しにしてしまいました。
反省中です。

今回は教室での読書感想文講座指定図書の紹介です。
青少年読書感想文コンクールの課題図書も
1冊入れてみました。
実は今年の課題図書、以前に作文講座で使えないかと
読んでみたけど断念した本が3冊入ってました!
私も本を選ぶ目が肥えてきたか!と自画自賛中です(笑)
でも作文講座では、皆さんのオモシロ意見も含め
自由にいろんなことを発言してもらいたいので、
感想が1つにまとまってしまいそうな本は
面白くても残念ながら、サヨウナラしています。
なので、その3冊も見送った訳ですが、
やっぱり課題図書は、いい本選んでますよね~。
それでは、本題!


<2年生指定図書>
「すごいね!みんなの通学路」著:ローズマリー・マカーニー/西村書店
実は、この本は作文講座でやりたかったんです~。
先を越されてしまいました。
いろんな国の子供たちが学校へ通うための道、
通学路を写真で紹介する写真絵本です。
日本の通学路と言えば、時間帯によって車の通行が制限されたり
地域の人やPTAの見守りがあったり、すごく安全性が求められますよね。
ところが…この本を読むとぶっ飛びます。
大人が行くのもためらわれる様な断崖絶壁、急流の上の細い橋等々。
毎日子供たちが通っているというのが信じられません。
そんな悪路をたどっても学びたい子供たちがいること、
学ぶことの大切さ、素晴らしさを中心に書いていけば
おそらく優等生的な感想文が書けると思います。
しかし私はこの本を読んで、子供たちをこんな環境に置く
大人たちの怠慢に怒りが込み上げてきてしまいまして。
模範にならない模範解答を書いてしまいそうな気がしています。
低学年向けなので自重しなければ。


<3~4年生指定図書>
「アハメドくんのいのちのリレー」 著:鎌田 實/集英社
これはノンフィクションです。
初めて知った時、そのことに衝撃を受けました。
イスラエル兵の誤射により、脳死状態になった
パレスチナ人・アハメドくん。
息子を殺したイスラエルの子供たちに、
アハメドくんの臓器を提供することを決断した、
父・イスマイルさんの話です。
読みながら、イスマイルさんの気持ちを思うと
涙が止まりませんでした。
人は許せる心も持っているけれど、憎む心も持っている。
どうすれば全ての人が安心して暮らせるようになるのか。
いろんな視点から書ける本だと思います。

「糸子の体重計」 著:いとう みく/童心社
食べることが大好きな、ぽちゃ子の細川糸子。
名は体を表さずな彼女ですが、とっても明るく元気です。
その糸子がひょんなことから、ダイエットをするはめになり…。
糸子の他にもクラスメートが何人か登場します。
その誰もが、いろんな事情を抱えていて
悩んだり、喜んだり、ケンカしたり、仲直りしたりしています。
登場人物の誰かには、間違いなく共感できると思います。
共感できると、感想文は書きやすいです。
自分だったらどう思うのか、登場人物と同じところ、
違うところを書いていけば立派な読書感想文の出来上がりです。


<5~6年生指定図書>
「泥かぶら」 原作:眞山美保/文:くすのき しげのり/瑞雲舎
新制作座という劇団で、約60年間演じ続けられてきた
舞台劇の脚本が原作の、なんと絵本です。
絵本だからと言って、バカにはできません。
話が深い、深すぎるんです!泣けます!
親もいない、容姿も醜い泥かぶらは、
いつもいじめられています。
苛める人たちへの恨み、憎しみがつのり、
すっかり乱暴者な嫌われ者となっていました。
そんな日々の中、旅の老人に美しくなる方法を教えてもらいます。
その方法は3つの事を守るだけ。
半信半疑だった泥かぶらでしたが、老人の言ったことを
懸命に守り、嫌われ者だった彼女は数年後、
村人から信頼される存在になっていました。
そんな時、村に人買いがやってきて、幼馴染が売られそうになった時
泥かぶらが身代わりを申し出て…。
人の為を思い、人のために行動する姿は
人の心を動かす強さがあるんだ、と実感できる本です。
自分は周りの人にどう接していくべきか、いろいろ考えて
書いてみると面白いと思います。
いろんな人たちの意見を聞いてみたい本です。

「虹色のチョーク 働く幸せを実現した町工場の奇跡」 著:小松成美/幻冬舎
日本のチョークシェア50%を誇る超優良企業、
「日本理化学工業」。
もしかしたら、皆さんが学校で使っているチョークも
この会社のものかもしれません。
なぜ、この会社が有名なのか。
それは従業員の7割が知的障碍者なのです。
そして、その他3割の従業員も含め、誰もが働く幸せと
お互いへの感謝の気持ちを感じている。
そんな素晴らしい会社があるなんて、知りませんでした。
でも、そこに至るまでには経営難があったり、苦悩と葛藤が
当然ながらあるわけです。
仕事とは何なのか、自分は将来どんな会社で働きたいのか
これまたいろんな視点から書ける本だと思います。

<5~6年生以上>
「言葉の海へ」 著:高田宏/新潮文庫
日本初の近代国語辞典「言海」を
独力で完成させた大槻文彦の伝記です。
国語の統一というのは、かなり政治的な思惑が
入り込むところらしく、激動の明治の歴史が
ストーリーに含まれてきます。
ぽん太が、えらくこの本に惚れ込みまして
希望者がいればやる!と息巻いております。
確かに少々難しいですが、面白い本です!


以上6冊です!
人の意見を聞くのも、感想文を書く時の
参考になりますので、よくお互いの意見を聞いてみてください。
私も皆さんがどんな意見を聞かせてくれるか、
とても楽しみにしています!
ちなみに便宜上学年を設定しておりますが、
読みたい本があれば、どれでも受講可能です!


小ネタ『今日のぽん太』。
もともと、うちの御嬢さんは言葉が達者なのですが
最近はどこで覚えてくるのか、すごい発言しております。
土日で疲弊したぽん太が、御嬢さんより先に
寝ようとしたところ、
「子供より先に寝るなんてー、子育てする資格
ないんじゃないかー」って言ってました。
ぽん太の悪口、御嬢さんには言ってないはずなんですが…。
びっくりしました。
そんな一コマより。

諭されて ぐうの音もない ぽん太かな

結局、ぽん太はフラフラしながら起きてました。

国語はやっぱり大事だよね、と思った本。

気付けば、4月ももう終わり…。
新緑の季節ですねぇ。
ベランダのポトスとアルテシマがすごい勢いで
新芽を出していて、毎日成長を見るのが楽しみです。
昨年のクリスマスに思い切って購入した
120㎝のもみの木も、枝の先に緑色の袋状のものが
でてきて、「これは何になるんだろう?」と
思っていたら、薄い袋が破れたところから
針のようなもみの木の葉っぱが
束になって顔を出しました。
もみの木の新芽って、こうやってでてくるのか~(^^)、
可愛いなぁ~と思いながら、愛でていると
木の先端部分に何か黒く蠢くものが…。
虫だーーーーーーーーーーーー!!!!!!
よく見るとかなりの数がひしめいていて、
すごく気持ち悪い(T_T)
ネットで調べたところトドマツオオアブラムシという
害虫らしいのですが、いったいどこから来たんだか。
都心のベランダまで飛んできたのか、
飛んでくるにしても、どこから来るのか、すごい謎です。
とりあえずAmazonで、殺虫スプレー買って即!散布。
植物も虫も、成長する時期は同じなのね、と
実感した次第です。

本題!
最近本屋さんで山積みになっている本、
教室で国語を教えている者としては、
読んでおかないといけないかな、と読んでみました。
面白かったです!
AI技術の最先端の話も興味深いですし、
これからの子供たちにどんな力が求められるのか、
よく分かりました。
いろいろと私の主観で書いてしまいましたが、
すごく緻密な分析が他にも様々ありまして。
ぜひ一読をオススメします!
そんな訳で、ご紹介です。

「AIvs.教科書の読めない子供たち」 著:新井紀子/東洋経済
<あらすじ>
東大合格を目標にした人工知能の開発を
主導した著者が、その経験から
AIに出来ること、出来ない事を明確に解説。
その上で、近い将来AI技術が進歩した社会で
現在の子供たちがどのような力を身に付けている必要が
あるのかを考察していく。


私は結構SF好きです。
なので、ロボットが人間のような感情を持って
彼らにも人権(ロボット権?)が認められる、とか
人間より優れたコンピュータ達が反乱を起こす、とか
そんな空想のお話が、ちょっと先の未来では実現する
可能性があるんじゃないかなー、と
思っていたのですが…現段階ではダメのようです。
まずAIに出来ることは論理・確率・統計だけ。
この3つの数学手法で表現できることでなければ、
AIは活躍できないのだそうです。
人の気持ちは、それぞれですから
「彼氏に振られたら」悲しむ人もいれば、怒る人もいて、
家に閉じこもっちゃう人もいれば、思いっきり体を動かして
スッキリしようという人もいそうです。
こういうものも数学で表現出来るようにならないと、
いわゆるSF的な「人間のように考えるロボット」が
現実になることはないそうです。
そして日常的に使っているGoogle検索やSiriも
問われている言葉の意味を理解しているわけではなく
「この単語がきたら、次はこれになる確率が高い」という
処理を行って、検索結果をだしているというのは驚きでした。
Siriに「近くのおいしいイタリア料理の店」と聞いても
「近くのまずいイタリア料理の店」と聞いても
同じ検索結果が出るのだそうです。
それはSiriが「おいしい」と「まずい」の違いを
理解していないからなのです。
なんだか、すごく残念な感じ…。
他にも苦手分野があって、
同じ内容だけど言い方が違う文章を探すとか(同義文判定)
文章で表現された絵やグラフを書くとか(イメージ同定)
問題文の論理から、導き出される結論を探すとか(推論)
はダメだそうです。
新井先生が定義する「読解力」とは、まさにこれらの事で
文章の内容をきちんと理解出来て、自在に操れる力の事です。
論理操作に近いですかね?
(一般的な物語文を読んで登場人物の気持ちを
考える、という「読解」とは少々違います。)
だったら、AIの苦手分野を得意にしておけば
将来仕事がなくなるなんてこともないじゃないか、と
私も短絡的に考えてしまいました。
でも、違うのです。
新井先生が開発した東大合格を目指すAI「東ロボくん」は
論理・確率・統計だけを駆使してMARCHに合格したのです。
MARCH合格者は大学受験者の上位20%。
このレベルに到達していない大学受験者80%が
すでにAIに負けているのです。
ここをクリアー出来ていない人たちが、
AIに出来ないような仕事をする
能力を持っているのがどうか…難しい判断です。
だったら手に職を付ければいいか、というと
ここでまた問題が。
料理店で板前の修業をしているのに
教科書で勉強が出来ないから調理師試験に受からないとか、
車の教習テキストが理解できていないので
普通免許を取れない、といったこともあるそうです。
つまり読解力が泣けれな
「教科書を読めない=教科書の内容が理解できない」
ということで、一念発起して頑張ろう!と
思っても、自力で学ぶことが出来ないことになります。
また企業に就職した際に、業務マニュアルを読んでも
理解できないので仕事が出来ない、という
可能性も出てきます。
これは、かなり深刻な問題だと思います。
新井先生は中高生の読解力判定の
テストを作成・実施していますが、
では、どのように読解力を上げていくか、という
科学的根拠のある手法はまだ研究段階なのだそうです。
読書量とも関連性が見られないとのことなのですが…。
私の経験則上ですと、いい文章を
書き写すと効果があるような気がしますけど、
これも人それぞれでしょうねぇ。
早く研究結果が出ますように!

先生の考える最悪のシナリオは、
AIに仕事を奪われた失業者があふれているのに、
企業はAIで代替できない仕事を担う人材が確保できず、
世界恐慌が起きる、というものです。
これを回避するには、どうすればいいのか。
AIを利用し、情報を集め、ニーズに適した
「何か」を創造することに尽きるのかもしれません。
その為に必要なことって、なんでしょう?
手前味噌になりますが(笑)、
やはり「国語力」なのかなと思います。
論理的な文章を書く、内容を把握する、
自分の気持ちを言葉で表現する、
相手の気持ちに共感する、
人とコミュニケーションを取る等々。
新井先生も引用していますが
数学者の藤原正彦先生が、学校教育に必要なのは
『一に国語、二に国語、三、四がなくて、五に算数』と
おっしゃっています。
そして新井先生自身も、読解力の必要性を説いているわけで。
なんだか、昨今は「算数が出来なきゃダメ」みたいな
風潮がありますが、著名な数学者が2人も
国語の必要性を訴えてくれるなんて
国語を教えている身としては、嬉しいというか
責任の重さを感じるというか(笑)
もっと精進しないといけないですね。


小ネタ『今日のぽん太』。
4月になって朝ドラも新シリーズが始まりました。
それに主人公の父親役で出演している
滝藤賢一さんが『あさイチ』にゲストで出演。
ドラマの事や家庭のことなど
司会者と楽しいトークをされていました。
ドラマの登場人物としての設定ですが、
母親役の松雪泰子さんとは、
「子供がいても2人で手をつないで歩く夫婦」
なのだそうです。
それを見ていたぽん太が、「いいよねー」なんて
言っていたので、思わず一言。

手を「ひいて」 あげよじゃないか 老後にね

ぽん太、固まってましたね。
どうも私の答えはご希望に添えなかったようです。
これだってアリだと思うんですけどねー。

やっぱり絵本はあなどれない!

3月です。
春めいて来たな、と思ったら
花粉の襲来にくしゃみと鼻水が止まりません(T_T)
豆乳ヨーグルトを毎日食べ続け、去年・一昨年と
薬を飲まずにこの時期を乗り越えられるようになっていたのですが…。
やはり今年の花粉量は多いようです。
幼稚園のママが、いつもは薬飲めば大丈夫なのに
薬飲んでも症状が治まらないと言ってました。
皆さん、苦労していらっしゃいますね。
お互い耐え忍びましょう~。
暖かくなって良い時期なのに、花粉のせいで
どうも出不精になって困ります。

本題!
今年度から始めた作文講座。
まだまだ生徒数は少ないながら、
授業は毎回盛り上がっているそうです。
嬉しいです!でも大変なんです!
ちゃんと授業前に読んで考えられるよう、なるべく短めな話、
でも深い話、というすごーく難しい注文が
ぽん太から発注されたので…。
毎月1冊、とりあえず3回分は決定したので、あと9冊。
ネタ切れにならないよう、頑張ります!
今回のご紹介は、高学年向け作文講座で
使用した課題図書です。
挿絵がキレイで、文章も少なめ、
一見子供向けの本のようですが、
内容は大人でもちゃんと考えなくてはいけない
大きなテーマを扱っています。
特に、これだけ国会が騒がしい今、
タイムリーなのではないかと思い、ご紹介でーす。

「二番目の悪者」 著:林 木林/小さい書房
<あらすじ>
昔、ある国に立派で美しい金色のたてがみを持つ
ライオンがいた。
国の王は年老いていたので、次の王を
選ばなければいけなかった。
金のライオンは
自分のような立派な姿をして、金持ちの人物が
次の王になるのが当然だと思っていた。
しかし市井では、とても親切で人に尽くす
銀色のたてがみを持つライオンの事が評判になっていた。
気になって仕方がない金のライオンは、
銀のライオンの様子を見に、街外れまで行ってみた。
そこでは銀のライオンが、フクロウおばさんの家を
修理してあげたり、病人に食べ物を届けてやったり、
休むことなく人のために働いていた。
銀のライオンを取り囲む笑顔と感謝の言葉に、
金のライオンは焦りを覚えて、考えた。
「なんとかしなくては…。」
数日後、銀色ライオンの良くない噂が出回り始めた。
「実は乱暴者らしいよ」「仲間から食べ物を取り上げたって?」
「私も、そういう話を聞いたよ」
「みんな知ってるってことは、そうなのかな」
銀のライオンは、この噂を否定しなかった。
そして、次の王に選ばれたのは金のライオンだった。
金のライオンは自分が贅沢をするために
税金をあげ、土地が欲しいからと
隣国と戦争を繰り返した。
どんどん国が傾いていく事態に、
金のライオンを王に選んだ動物たちは、呟く。
「どうして、金のライオンを選んでしまったの?」
「私は、銀のライオンの噂を伝えただけなのに…。」
「私もよ」「だって、みんな言ってたし」
「どうしてこの国は、こうなってしまったの?」
悪かったのは、金のライオンだけなのだろうか…?


この「噂で聞いた話なんだけど」が
真実かのように拡散していく様は、
まるで昨今のSNSやネットの書き込みのようです。
多分悪気のない行為なんですよね。
おしゃべりのネタとして、といった感じで。
でも、それがすごく重要な話だった場合、
例えばこの本のように
国が傾くかもしれない話だった場合、
そんなに簡単に考えていいものなのでしょうか。
原典が何なのか不明な情報が散乱し、
どんどん「誰か」の都合の良い話ばかりが
増殖していく、というのは
ネットユーザーなら、誰でも理解している話だと思います。
その中で、真実とは何なのか
やはり自分で調べて確認するべきなのでは
ないでしょうか。
もしくは客観的な事実のみを拾い、
それに対して他人の意見ではなく
自分の意見を語るべきなのではないでしょうか。

この本のタイトル『二番目の悪者』。
一番目は当然、ありもしない銀のライオンの話を
広めた金のライオンですが、
では二番目は誰なのか。
授業でも話し合ってもらったのですが、
かなり白熱した議論になったそうです。
教室では、無責任に噂を広めた住人だちが
二番目の悪者、という意見が多数だったようです。
一方、私は銀のライオンは、どうなの?と
思ってしまいました。
本文では、銀のライオンは
いつか誤解が解けると思って沈黙していた、とあります。
でも、銀のライオンは街の人達とも交流があったのだから
性格は悪くないけど、あまり物を考えない住人たちの事を
よく知っていたと思うのです。
放っておいても誤解が解けるなんて、
どうして考えてしまったのか。
もし彼が住人たちの為を考えるなら、
悪い噂を全力で否定し、金のライオンと
全面対決するべきだったのではないかと思ってしまうのです。
そういう意味ではアメリカ大統領選挙の
批判合戦、品がないなぁと常々思っていましたが
意外と意味のある活動なのかもしれません。
お互いにズタボロに批判されますから、
有権者は良い点も悪い点も、
いろんな面から考えることが出来ますもんね(笑)
何はともあれ、大勢に流されず
自分の意見を持つことの大切さを
改めて考えさせられた1冊でした。


小ネタ『今日のぽん太』。
最近、家の御嬢さんの運動不足解消に
家庭用トランポリンを購入しました。
すごい喜んで、毎日遊んでいます。
子供は跳ねるの、好きですねー。
かなり運動量も多いそうなので、大人も使って
ダイエット効果を期待したりしているのですが…
そんな一コマより。

トランポリン 弾む身体と 揺れる腹

ちょっと自分の自虐も入っております(笑)